運命とは必然なもの

08


朝がきた








決戦の時・・・








そして・・・








運命の分かれ道でもあった








「では、エルリック君。君の活躍を期待しているよ。」
「はい。ではいってまいります。」
マフィア達はこのセントラルのはずれにいるという情報が入ってきたのでそこへ向かおうとしている時に大総統が現れ、エドに激励を送
った。
そして、エド達が出発し、その背中が見えなくなるとため息をつき、ぽつりと呟いた。
「困った息子だ・・・。」









さぁ、その手で運命を変えてみせろ








その焔で








その鋼で








己の運命を変えてみせろ








































「鋼の錬金術師殿。ここがマフィア達がいるとの情報があった場所です。」
兵士の1人がエドに報告をしにやって来た。そこには1つの建物があった。
「ここか・・・。報告ありがとう。」
「いえ。それで、これからどうしますか?」
「全兵士に伝えて欲しい。誰も殺すな。動けなくなる程度だ。ミスをするな。ボスは俺が相手をする。」
「そ、それはどういう・・・。」
「いいから俺の言うことを聞いてくれ。」
その兵士はそう言うエドの硬い表情を見て何かを感じとり、それ以上何も言わずきっと表情を引き締めた。
「はっ!了解しました。では、皆に伝えてきます。」
「ありがとう。」
エドは礼を言ってその兵士を見送った。彼ならきっと皆を納得してくれる、そう思った。
(あいつは話せばわかる奴だ。マフィアなんかやってるのも何か理由があるはずだ。)
エドはそう確信していた。











































「ボス。軍がもうそこまで来ています。」
「・・・ついに来たか。」
「どうします?」
ロイは少し沈黙した後、こう指示を出した。
「皆に伝えろ。誰一人殺すな、と。」
「それは・・・。」
「いいか。これは命令だ。誰一人殺すな、誰一人、だ。動けなくするだけだ。1人でも殺した奴はどうなるかは保障しない。」
「・・・・・・・・わかりました。そこまでおっしゃるのなら何か考えがあるのですね。では、国家錬金術師はどうしますか?」
「彼女は俺が相手をする。」
「なっ!」
「彼女は国家錬金術師だ。並の相手じゃない。俺も錬金術が使える。錬金術には錬金術を、だ。」
「しかし・・・。」
「大丈夫だ。死なないし、殺さない。」
「・・・わかりました。」
「・・・・・・・・・・俺はこの戦いが終わるとこのマフィアを解散するつもりだ。」
「・・・そうですね、もう潮時かもしれませんね。」
「ああ、だが君達の思いは無駄にはしないさ。」
「皆、あなたが変えてくれることを望んでいます。」
「失望されないように頑張るよ。まずはこの意味のない戦いを終わらせることだ。」
「では、皆に伝えてきます。」
そしてリザは他の仲間に指令を伝えるために部屋を出て行った。
(大丈夫、彼女は話を聞いてくれる。)
ロイはそう信じていた。








彼と彼女の思いが交差するとき







運命は動き出す